私に対し多い質問第2段として、法医学に進んだ理由:これも、全然、純粋ではありません。大学二年生のおわりに進級判定に不正があり、世にも珍しい大学側との親子団交があり、当時学生代表をしていた私は中立という立場で同席させられました。なんと話し合いは、12時間以上に及びました。さすがの若い私も、心底疲れてきましたが、その中でたった一人教務の責任者であるお方が疲れも見せず、凛と最後まで対応されていたのがすごく印象的で、その方が初代法医学教室の教授ということはあとで知りました。そのことがきっかけで、廊下ですれ違うときには、必ずといっていいくらい声をかけていただきましたが、2年生の私には『法医学って何?』っていうくらいでした。4年生になって、法医学の授業があり興味津々でしたが、結果、そのグロテスクなスライドを観て、『ゲッ』の連続で過ぎてしまいました。実習を含め、メジャーな内科・外科・小児科・産婦人科等、そして、その他全ての科目を通過して、『生』から人間というものを見るのが尋常ですが、『死』から見て何故人は生きることができるのか?という逆の発想から診ることをしたくて進みました。