半年ぶりの更新です。すさまじい勢いで時は過ぎて行きました。時間がたつのが早く感じることは、いかがなものか。相変わらず司法解剖に追われ、虐待児の鑑定もウナギ登り、講演にもちろん授業そして書いても書いても追いつかない鑑定書作成、でも、なぜか順調に回っているせいか、全然平気です。ホームページにもアップしますが、福島に行ってまいりました。絶句しました。でも、これが現実なのが、素直に受け入れることができるのは、やはり、法医学を学んで研鑽努力のせいかと思います。わたくし巽信二はいつか来る「死」が来るまで、一所懸命に生きます。
1月28日(金)晴れ
今日も今日とて、全く、忙中閑なし。
あ~しんど。また、ゆっくり来週更新します。すいません。
平成23年1月21日(金)晴れ
大晦日に4件の司法解剖があり、新年は3日から二件の司法解剖から始まった。本日までに18件、AIのみ事案が二件、すこぶるハイペースである。でも、いずれの検死作業だけでは、結論できない事案ばかりであるので仕方が無い。私はそれを丁寧に鑑み、事件性の有無をルールアウトする。検死官の臨場が増えれば当然、検死レベルは高騰し、司法解剖事案が増える。至極、あたり前のことである。そんなことより、どんな手技を用いても、見落としすることなく一件一件確実にこなすのが私の仕事である。今年の始まった。
12月29日水曜日晴れ
今年もあと三日と迫った。今は、スーパーモーニングのスタッフ待ち。明日の放送に間に合わすため、東京より奔走している。どうもこれが今年最後の仕事かも。明日の朝、6チャンネル朝8時からの番組を時間のある方は見てください。当教室が始めた一塩基多型の話と海老蔵さんの会見とのコラボらしいです。私、昨日少し飲みすぎて、お顔が腫れています、でも、どつかれてはいませんので、あしからず。それでは皆様、よいお年をお迎えくださいませ。巽信二 拝礼
7月23日金曜日晴れ
久しぶりの新規追加である。次から次へと、いろんな案件や質問が来る。選れば良いのだがつい相手方の切望に屈してしまう。その中で、も興味深い案件は、FS県の裁判員裁判で刑事訴訟では始めての『無罪』が出そうだ、内容をFAXするから、コメントを、というものだった。その記者君はよく内容を把握していた。私の質問に対し即答してくれた。その質問のひとつで出血血液に凝血が混じっていたことが判明したが、それについての論議は無かったと聞いた。深い法医学的意義が存在するのにと思い、判決に影響するかなと畏怖を感じたが、結果、無罪になることは無く、有罪であった。法医解剖の勝利である。・・・・私が常に重要視しているのはこの”法医学的意義”である。一般的には一目で終わりそうな所見に法医学的意義があり、死因に直結するようなものが潜んでいる。
京都教育大付属に赴き非常にやる気のある学生諸君にこの法医学的意義を話してきました。そして、法医学的にものを申すということは、夜空に点在する星と星を結んで星座を見つけるような作業だと熱弁をぶってきました。約3時間。(笑)
7月16日金曜日 曇り
いつもは午前中に新規追加をするのだが、児相が被蓋児を診察に連れてきたり、たまっている鑑定書を書いていたら交通事案の司法解剖が入ったりしたもので夕方になってしまった。司法解剖に長い時間費やしたが交通事故死には間違いないが、なぜ事故を起こしたのか今日のところはわからなかった・・・明白なる器質的病変は無い。想像の域は脱しないが、運転中、何かを探していたのか、今問題になっている”ながら携帯”のせいなのか、それとも、何か不意に目の前を横切りそれを避けるために事故ったのかは、法医の許容範囲外になる。しかし、あきらめない!病理学専門医のコンサルの基、意識障害を起こした可能性もあるので、究明は続くのである。明日は、京都教育大付属に講演に行きます。・・・・・
7月14日水曜日(雨)
116体目の司法解剖が終わった。結論からの述べると、他害を示唆する要件は乏しい。ほぼ全身に及ぶ高度腐敗性変化のほかに、頚部に周回する索痕のようなものを見つけたという。実に興味深い。解剖前CTを終え、早速、外表所見検査を行ったが索溝でも索痕でもない。私が検すると一目瞭然なのだが・・・・死体は語るとかいう方がいらっしゃるが浅知恵しかお持ちで無い方には語ってくれない。悪臭の生える解剖に立ち会った方々だけに、ご褒美に、どう御遺体が語ってくれたか教示してあげた。(合掌)
7月12日月曜日(雨)
昨夜からは参院選開票、夜中はFIFA決勝戦、朝はUSWGA全米女子オープンと寝不足気味だけど、なぜか少しハイ気味である。やることはやまほどある。どれから手をつけようか?サッカーは接戦の上、スペインの勝利、お見事!お見事といえば、スペイン優勝を予言したドイツの水族館の”タコ”である。決勝リーグの勝者すべてを予言、100発100中である。大脳が非常に小さいといわれているこの軟体動物、直感というものは、やはり、脳幹にあるのかな(笑)
7月9日金曜日 雨になった
最近、世間では大麻汚染や賭博による大相撲界内蔓延がクローズアップされている。それに呼応して、本日夕方、なにやら学生君たちに訓示することになった。 私が言いたいことは端的である。つまり大麻使用や賭博関与で有罪になろうなら医師になっても医行為ができないということだ。医学法律教育後進国のわが国であるから出てくる幼稚な教授の話に交通違反しても医師国家試験を受けられないとか違反を犯した医学生は別室で試験を受けさせられるとか、実に辟易で失笑ものである。法律枠をごちゃごちゃにしている。医学部卒業生が無事試験を合格しても、医業をなすための医籍登録申請書には上記の有罪を受けた者が申告するところがちゃんとあり、医道審議会で裁かれる。・・・・
7月7日水曜日曇り
車にて出勤途中、私の前を無謀に往来する車やバイクや人々を見て、最近、常に思うことがある。なぜ人々は他を優先するために、立ち止まったり一歩後ろに引いたりしなくなったのか?私の職場の食堂の出入り口は狭くドア一枚分しか開閉せず、繁忙時間帯になると食べにきた職員と食べ終わった職員が我先に突っ込んでくる。情けない。誰も譲らない。特にひどいのは多くのご年配の看護師である。年の功を感じない。非常に幼稚である。 高校時代登山部にに入っていた私は、2000メートルを超える連山をよく歩いた。無事、下山に入ると疲労も募り、重い装備のつらさをあり、一刻も早く開放されたいのだが、そういうときに限って、登山道は狭く、はるか遠方に登ってくる隊と遭遇する。そんな時、下山組は何があろうと待つ!ひたすら彼らが通過するのをじっと待つのである。通過のとき、挨拶するもの、しないものさまざませはあるが、その彼らの顔をみてすぐわかる。ありがとうの表情が・・・そんなことを回顧しながら大学に到着した・・・・・